カレッジ制度
MBAに合格すると、他の学部の学生と同じように、必ずカレッジを選択することになります。オックスフォード大学は全体として、マトリックス組織になっています。すなわち、学部・スクール(専門領域・仕事場)を縦とすると、カレッジが横です。ビジネススクールでの専門的な仕事を終えて、カレッジ(家)に帰ると、そこには他の専門領域の先生や友人が集まっており、会話や食事を通してジェネラリストとしての素養も育むシステムになっています。カレッジは寮や食事の提供を主な役割とし、また社交の場所であるMCR(ミドルコモンルーム)を通じ、多くの学生との交流を深めることもできます。現在、オックスフォード大学には38のカレッジ(と6つのパーマネント・プライベート・ホール;カレッジと同じ役割です)があり、それぞれ独自の文化、歴史、伝統を保っています。カレッジライフはMBA学生及び家族(お子様のいらっしゃる場合には特に)の大切な一部を構成しますので、詳細は是非在校生にお問い合わせください。また、カレッジの提供する施設、設備等の状況は毎年変更等があり得ますの、直近の情報を在校生に確認することをお勧めいたします。ここではその一部をご紹介します。一般的なカレッジの説明については公式サイトをご覧ください。
Green Templeton / Harris Manchester / Lady Margaret Hall / Linacre / Pembroke / The Queen's / St Hugh's / St Peter's / Wolfson / Kellogg / Wadham / St. Cross
Green Templeton
2008年に、Green CollegeとTempleton Collegeの合併によって創られたオックスフォード大学で一番新しい大学院学生向けカレッジです。もともとGreen CollegeはWelfare、Templeton Collegeはマネジメントに注力したカレッジであり、GTCは薬学、教育、MBAを履修している大学院生が大半を占めています。カレッジ自体はSBSから少々遠いのですが、SBSのすぐ裏手にRACという名称のアコモデーションを有しており多くのMBA生がそこに暮らしています。
GTCの食事は定評があり、ランチ、ディナー共にとてもおいしいです。またアットホームなカレッジであり、パーティ、ワインテイスティング、レクチャー・ディスカッションなど毎晩のようにイベントが開催されています。レクチャー・ディスカッションイベントについてはHuman Welfare、HealthcareやEducationに関する議題が多いように感じます。他の多くのカレッジと異なり、大学院生に特化したカレッジであることからMatureな議論を楽しめるという意見も聞かれます。
難点としては、RAC以外の寮は少々SBSから遠いという点、RACもGTC本体から少々遠いという点でしょうか。なお空室ができれば期中の移動もできるようです。できるかぎりSBSの近くに住みたいという方にとっては、RACは最高の環境であるように感じます。(H.S./2011-2012)

Harris Manchester
Harris Manchester College(略称 HMC)は、小規模で個性的なカレッジです。対象は21歳以上の修士・学士課程の学生に限られ、成熟した学びを重視しています。創立は1786年ですが、その当時はOxfordではなくManchesterにて創設されました。その後拠点を渡り歩いた後、1893年に現在の建物が竣工されました。物凄く古い訳ではありませんが、充分に荘厳な雰囲気がありOxfordらしい雰囲気を味わうことができます。
一番の売りはフォーマルの美味しさと値段の安さです。ワイン込みで10ポンド程度でカッレジフォーマルの中で最も安定的に美味しい料理を楽しむことが出来ます。また、図書館が大変美しいです。席数は多くはありませんが、学期中は24時間空いており、問題なく席を確保できます。
住居は単身者向けのものしかなく、家族帯同の学生はカレッジ外で住居を見つける必要があります。一方、単身者向けのオンサイトの部屋はモダンかつ綺麗で、家賃にフォーマル含む朝昼晩3食のお金が含まれてリーズナブルな値段で生活が出来てとても評判です。
毎年MBA生の受入は多くはないですが、フォーマルの素晴らしさとこじんまりとしながらも落ち着きのある敷地が同級生に好評で、希少性も相まってカレッジへの招待依頼が年間を通じて尽きません。
(K.W./2024-2025)


Lady Margaret Hall
1878年に創られた、オックスフォード大学で初めての女子学生向けカレッジです。現在は共学となっていますが、かつての名残が随所に感じられます。
まず、レンガ造りの建物が非常にかわいらしいです。広い庭もよく手入れされ、美しいです。Beautifulというより、Prettyという形容の方がしっくりくる環境です。教会も、街中のカレッジのように荘厳で大きいものではありませんが、本当に信仰のことを考えて造られたことが感じられる、温かみのあるものとなっています。
オックスフォード大学の特徴としてチュートリアル制度がありますが、LMHのチュートリアルは特にアットホームで有名とのことです。私もプリンシパルや院生向けチューター代表、カレッジアドバイザーと何度も面接を行っておりますが、単に勉学上のことのみならず、家族のことや将来のことまで相談に乗ってくれ、また有益なアドバイスをくれました。活用したことはありませんが、単に「気分が落ち込む」といったレベルの相談も、快く受けてくれるとのことです。
MCRもみんな仲がよく、頻繁にイベントが開催されています。毎晩誰かしらが何かしらのイベントをとり行っている印象です。印象としては理系の院生が多いと感じています。MBA以外の話を聞くいいチャンスだと思います。クラブ活動も盛んです。
ダイニングホールもかわいらしく、また荘厳で素敵です。料理はそこそこだと思います。デザートはとても美味しいです。
少しSBSから遠いのが難点ですが、独身向けの寮も申し分なく、十分な数が用意されています。特に1年目の学生(MBA含む)には必ず部屋(独身部屋)を提供することを約束しており、インターナショナルの学生にはありがたいと思います。ただ、難点として、家族向けサービスがまったくないということが挙げられます。家族寮は一つもないため、家族持ちの学生はカレッジ外で部屋を探さなくてはなりません。カレッジのイベントやMCRのイベントも週末や夜に開催されることが多く、家族がいるとなかなか参加しづらいことが多いです。その点で、独身者やカップル向けのカレッジであると思います。(A.Y.)

Linacre
【概要・歴史】
1962年に創設された、比較的歴史の浅いカレッジになります。ルネサンス期の人文主義者・医師・古典学者であるThomas Linacreに因んで命名されました。初期のフェローには、ノーベル経済学賞受賞者のJohn Hicks、哲学者のIsaiah Berlin、化学者のDorothy Hodgkinらが名を連ねています。現在は約700名の大学院生が在籍し、80カ国以上から学生が集まる国際色豊かなコミュニティを形成しています。モダンな雰囲気が特徴で、High Tableを設けず、学生とフェローが同じCommon Roomを共有する平等主義的な校風でも知られています。
【立地】
St Cross RoadとSouth Parks Roadの近くに位置し、University Parksや科学系エリアに隣接していますが、中心地へは距離があります。Saïd Business Schoolまでは徒歩で30分弱、自転車で約10分です。
【寮・設備】
オックスフォード市内に約250室の学生寮を保有しており、メインサイトおよび複数のオフサイト物件(Banbury Road、Iffley Road、Divinity Road)に分散しています。en-suite roomは月£775〜900程度、共同バスルームタイプは月£650〜735程度です。全室に共同キッチンと高速インターネットが完備されています。24時間利用可能な図書館、ジム、音楽練習室など設備も充実していますが、全員がオンサイトの寮に入居できるわけではありません。
バーはアットホームな雰囲気でMBA生にも人気があります。ジムはフリーウェイト中心で、有酸素マシンは少なめですが、スペースに余裕があり、朝方などは人が少なく快適に利用できます。
【食事・Formal dinner】
月曜から金曜まで昼食・夕食が提供されています。学生向け価格設定となっており、メインとサイド2品で£7前後と比較的リーズナブルです。固定のミールチャージはなく、食事は都度購入制です。Formal Guest Nightは火曜・木曜の夕方(フルターム1〜8週目)に開催されています。食事の質はオックスフォード内でも評価が高く、常にベジタリアン・ヴィーガン向けメニューも用意されています。なお、食堂はモダンなデザインのため、いわゆる伝統的な「オックスフォードらしい」雰囲気は控えめです。
【コミュニティ】
多様性に富んだコミュニティで、全学問分野にわたる学際的な交流が活発に行われています。また、ソーシャルイベントが頻繁に開催されており、ボート部、コーラス、各種スポーツクラブなど課外活動も充実しています。一方で、大学院生のみのカレッジであるため、比較的落ち着いた環境で過ごすことができます。また、Sexy Sub fuscやNew year’s partyなどLinacreならではのイベントも有名です。
【その他】
Class of 2026では、MBA生は約20名在籍しています。Saïd Business Schoolからやや距離があることや、強いブランドイメージを持つカレッジではないことから、MBA生の第一志望先として選ばれるケースは少ない印象です。一方で、カレッジに大きな不満を持つ学生はあまり見られず、落ち着いた大学院中心の環境やフラットなコミュニティを評価する声も多くあります。なお、予算規模の大きいカレッジではないため、学生向けの金銭的補助などは限定的です。
(M.T., 他一名 /2025-2026 )
Pembroke
【概要・歴史】
1624年創立の歴史あるカレッジです。前身は法律を学ぶ学生のための「Broadgates Hall」でした。学部生400人弱と大学院生170名程度が在籍しています。
イギリスの作家J.R.Rトールキン、スミソニアン博物館のジェームズ・スミソニアン、MBA生にはお馴染みフルブライトプログラムの設立者ウィリアム・フルブライトなどを輩出しており、キャンパスの規模は比較的小さいものの、コッツウォルズの白い石灰石で造られた歴史ある食堂やチャペル、綺麗に管理の行き届いた中庭はオックスフォードならではといった雰囲気があります。
【立地】
オックスフォード市内の中心部に位置しており、買い物やレストランには非常に便利であり、学校からも徒歩10-15分程度。
【寮・設備】
カレッジが所有する寮はメインサイトとオフサイト(Geoffrey Arthur Buildings-GAB)の二か所あります。メインサイトは部屋数に限りがあるため、カレッジの寮に住む場合には主にGABへの入居が選択肢になるかと思われます。全員の入居は確約されていませんが、フルタイムで入学初年度の学生が優先されているようです。GABはメインサイトからは徒歩10分程度、SBSから15-20分程度のところの川沿いにあります。キッチンは共有で、部屋はトイレ・シャワー完備のEn-suiteタイプです。
【食事・Formal dinner】
食堂で朝・昼・晩が提供され、フォーマルホールは学期によって週2-3回開催されます。(夜はゲスト2名まで招待可能)。食堂とは別に寮の敷地内にオープンカフェがあり、朝食や軽い食事をすることもできます。また、道を挟んで向かいにChrist Churchがあり、事前予約が必要ですが、土曜日の夕食はハリーポッターでお馴染みの同カレッジの食堂で食べることが可能です。
【コミュニティ】
Pembrokeのコミュニティーは仲がよいことで有名です。MBA生は9名在籍しています(2025-2026)。フォーマルディナーの日には焼き菓子が無料で提供されたり(Second Dessert)、映画鑑賞、パーティー(Banquet、カジノ、ダンスパーティ等)等も定期的に開催されています。また、Pembookという読書クラブもあり、平日も含めイベントが非常に盛んで友達もつくりやすい環境です。
【その他】
学期中の毎週日曜日にはチャペルでEvensong が開催され、コーラスの素敵な歌声をきくことができます。カレッジの図書館は小規模ですが、24時間空いています。
資金のサポートについてはカンファレンス、研修等への参加のための費用をサポートするファンド等があります(選考あり)。
(E.K/2025-2026)

The Queen's
ビジネス・スクールでの生活に加えて、クイーンズ・カレッジでの生活は、オックスフォードの学生生活を2倍、いや3倍楽しくしてくれるものです。クイーンズ・カレッジの魅力はいろいろとありますが、大別すると以下です。
(a) 古い:どうせオックスフォードで学生をするなら、伝統ある古いカレッジに所属したいと思う人も多いかもしれません。クイーンズ・カレッジは1341年設立の古いカレッジで、哲学者のJeremy Benthamや天文学者のEdwin Hubbleなど、錚々たる卒業生を輩出しています。その伝統ある建物からオックスフォードの歴史を十分に堪能できます。
(b) 図書館:「世界の美しい図書館25選」に選ばれるほど、クイーンズの図書館は威厳と品格に満ちています。この図書館で勉強していると、なんだか「勉強した気」になります。図書館にはビジネスとはまったく関係のない、「値段のつかない」本が置いてあります。いい(崇高な?)気分にさせてくれる場所には違いありません。
(c) 庭園:クイーンズの庭は、数あるカレッジの中で、特に美しいといわれています。芝生の手入れが行き届いていて、いつ見ても心が洗われます。日々の生活の心の癒しです。
(d) ご飯がおいしい:格式ある食堂も魅力なのですが、ご飯がとにかく安くておいしいです。
(e) 寮:クイーンズの大学院生は、大学院生用学生寮に住むことが確約されています(他のカレッジでは、キャパシティの問題から自分で住む場所を探さなければいけない場合もあります)。ビジネススクールまで徒歩10分、クイーンズのメインサイトまで徒歩10分、サッカーグラウンドまで徒歩10分、街の中心まで徒歩5分と、勉強にも、日々のカレッジでの食事にも、スポーツにも、飲み会にも便利です。設備は立派とは言えませんが、シャワーとトイレが各個人の部屋についていてインターネット完備なので、文句はありません。ただし、家族向けの寮は充実していません(ないかもしれません)。(T.M.)

St Hugh's
【概要・歴史】
1886年に女子カレッジとして誕生しました。1900年初頭には女性参政権運動の拠点となり、その後メイ元首相、アウン・サン・スー・チー氏、アマル・クルーニー氏など社会に変革をもたらした女性を数多く輩出しています。設立からちょうど100年に当たる1986年、カレッジは男子学生の受け入れを開始し、現在はすべての学生に開かれています。
カレッジの建物は赤いレンガ作りが特徴で、歴史を感じさせる格式高さはありますが、オックスフォードにありがちな気取った雰囲気はなく、開放的でフレンドリーなスタッフ・学生が集まっているという印象です。現在の学生数はgraduate, undergraduate共に約400人ずつです。
なんといっても一番のアピールポイントはオックスフォード最大級の広さを誇る(約14.5エーカー、東京ドームより広い!)美しい庭園です!庭師さんが丁寧に日々世話をしてくださっていて、季節ごとに違った景色を見せてくれます。
【立地】
立地はオックスフォード中心街と高級住宅街、サマータウンの中間にあり、中心街の喧騒を忘れさせてくれる閑静なエリアで…というと聞こえが良いのですが、実際SBSまでは徒歩23分(2km程度)と、ウルフソンの次に遠いカレッジだと思われます。City Centerまでは徒歩16分(1.5km程度)ほど。体感ですが、MBA生の7割は自転車、3割は徒歩で通学しています。とはいえ徒歩でのルートは市内の主要な道を通り、美しい街並みを楽しめるのであまり苦にならないと思います。
でも遠いからこそ、静かで広大な庭園に佇む赤レンガのかわいい建物たちといったイギリスの田舎の雰囲気がちょっと楽しめます。
主要な緑地として、ユニバーシティパークス、ポートメドウへのアクセスは良いので、自然を楽しみたい方、ランニングする方には特におすすめできます!
【寮・設備】
当カレッジ所属のMBA生はほぼ寮に住んでいます。入寮を希望する場合、競争率はそこまで高くないと思われます。寮はオンサイトのみです。
寮はハウスタイプかアパートメントタイプの建物に住むことになります。基本的にgraduateの寮はen-suite(シャワー・トイレ等水回りが個人の室内にある)です。キッチンとランドリーはシェアです。賃料の相場感はレンジがあり希望を出せますが、大体700ポンド~800ポンド程度。キッチン・廊下など共有部は週に3回、部屋は2週間に1回ハウスキーピングが入ります。ごみ捨てや消耗品の交換もしてもらえてとても楽です。定期以外のメンテナンスリクエストは専用のアプリを通じて行うことができ、通常その日か翌日中に対応してもらえます。
ロッジは24時間365日ポーターが常駐しており、カードキーを紛失した…といった緊急時もすぐに対応してもらえるので安心です。宅配荷物の受け取り・保管もしてくれます。
【食事・Formal dinner】
平日は毎日、朝・昼・夕ご飯がダイニングホールで提供されます。料金はすべて5ポンド程度。土日はブランチのみの提供です。フォーマルはターム中に毎週火曜日に開催され、料金は12ポンド程度で3皿(前菜+メイン+デザート)のコースです。食事は基本的に美味しい方だと思います。特にフォーマルはデコレーションに凝ったデザートとか、ちょっと気の利いたものが多いイメージです。
ダイニングホールは赤を基調としたインテリアで、大きい窓がついています。庭の景色や陽射しを楽しみながら食事を取ることができます。
カレッジ内にパブもあります。こちらもお手頃な値段で、ビールは1パイント4ポンドほどです。カレッジにちなんだオリジナルカクテルも多数あり。パブの隣には卓球コートもあります!
【コミュニティ】
St. Hugh’s カレッジ生のうち、MBA生は全体で20名弱です。MCRで毎週カラオケナイト、ムービーナイトなどのイベントが開かれており、カレッジのコミュニティが強く、他の学科のgraduate生との繋がりを持てる機会がたくさんあります。日曜日にはMCRの委員たちが無料でブランチを振る舞ってくれます。
【その他】
カレッジのスタッフは皆さん気さくで、メールなどのレスポンスも早く安心できます。Principalは音楽好きな気さくな方で、ターム中に2回ほど音楽リサイタルを企画し、学生と交流する機会を作っています。
カレッジキャットが2匹います。茶色のビスケット(男の子)と、グレーと白のフラップジャック(女の子)です。運が良ければ庭で遭遇するかもしれません!
運動施設に関しては、カレッジ内にジムがあります。1学期あたり30ポンド程度で利用できます。外部にはボートハウスをもっているほか、スポーツグラウンドはKebleと合同で使用できます。
何百年の伝統とか権威とか、きらびやかなものはあまり無いですが、ちょっとした田舎の良さと人の温かさを詰め込んだようなカレッジです。
(K.S /2025-2026)

St Peter's
St Peter's Collegeは設立が1929年と比較的新しいカレッジで、伝統あるカレッジと比べてしまうと、建物の格調高さや卒業生の豪華さにおいてはどうしても見劣りしてしまう部分があることは否めません。しかし、St Peter'sの魅力は何と言ってもその立地でしょう。コンパクトではあるものの、オックスフォードの街のど真ん中に位置し、最も便利な場所にあるカレッジの一つと言えます。MBA生の受け入れは通常は2〜4人ということになっているようですが、2013-2014のように7人という例もあります。
大学院生用の寮はメインサイトとは別の場所になりますが、やはり街の中心にかなり近いところにあり、ビジネススクールまで徒歩5分、カレッジ自体(つまり街の中心)までも徒歩5分と、利便性という点では理想的なロケーションです。また、2008年築と比較的新しい建物です。希望者は必ず寮に入ることができますが、シングル用の部屋のみで、家族向けの寮はありません。
St Peter'sの欠点は、コンパクトゆえ設備の充実度が他のカレッジより劣る点でしょうか。図書館は24時間オープンしていますが、狭いため試験前の時期は学部生でいっぱいになってしまい、あまり使い勝手がよいとは言えません。とは言え、MBA生がカレッジを活用するとしたら、主に寮と食事でしょうから、そういう意味ではあまり不満を感じることはないと思います。(A.M./2013-2014)

Wolfson
【概要・歴史】
1965年、Iffley Collegeとして設立され、翌年、ウルフソン財団及びフォード財団の支援を受けてWolfson Collegeとなりました。初代プレジデントである哲学者Sir Isaiah Berlinの信念で、創設以来、High Tableを設けず、プレジデント・フェロー・職員・学生が同じCommon Roomに属する、極めて平等主義的な校風が特徴です。
【立地】
SummertownとUniversity Parksの中間あたりに広大な敷地を有し、カレッジの中にはRiver Cherwellが流れています。ラズベリーやブルーベリーが自生する小道を、野生の鹿や狐が闊歩し、Meadsには稀に牛が放牧されています。隣接するオックスフォード司教(要はChrist Churchにいる司教です)の公邸の土地・建物をカレッジ設立以来所有していたようなのですが、2015年、満を持してカレッジの設備として取り戻し、現在ではエドワード朝様式の英国庭園も楽しめます。
一方で、市中心部まで徒歩約30分、SBSまで約45分と遠いことが難点です。平日は朝8時から19時(ターム中は20時)頃まで、25分間隔で無料バスが運行されており、中心部への移動はそれほど苦労しませんが、駅方面には行かないので、通学や駅利用には、15分程度で移動できる自転車が至便です。
【寮・設備】
単身者用、カップル用、ファミリー用の寮があり、2人以上の子どもが入居可能な住居を提供するカレッジは、オックスフォードにWolfsonしかありません。(Wolfsonに入れない場合は、大学の寮か民間の賃貸住宅を探す必要があります。)オンサイトのDay Nurseryもあり、2か月から5歳まで通園可能です。カレッジ生の子どもは保育料が割引され、入園も優先してもらえる(らしい)です。
ファミリー向けのイメージが強いですが、8~9割はシングル(かカップル)だと思われます。寮はすべてオンサイトですが、全学生の4割ぐらいしか入居できないようで、新たにオンサイトの寮を建設中です。2ベッドルーム以上の部屋は全20戸です。
その他、24時間利用可能な図書館、ジム、スカッシュ・テニス・サッカー・クロッケーコート、音楽室、BBQ場、子供用の公園など多様な施設があり、原則すべて無料で利用可能です。ジムはボート部のムキムキが怖いので使ったことはありません。
Wolfsonらしい特徴として、カレッジ内にPunt harbourがあり、カレッジ生は3時間枠でパンティングやカヌーを楽しめます。他カレッジの高額な利用料や予約競争と比して、Wolfsonは30ポンド(年間)、10ポンド(3か月)と比較的低廉な値段で乗り放題です。
モダンアートのコレクションも豊富で、カレッジ生(オンサイトのみ?)に1年間無料で貸し出すので部屋に飾ってね、というスキームもあります。
キャンパスの設計は、Museum of LondonやQueen Elizabeth II Centreも手掛けたPowell & Moyaで、戦後モダニズム建築として2級指定建築物に登録されています。Sir Isaiah Berlinの強い意向で、権威性・階層性を感じさせないよう、対称性や軸線を意図的に避けたオックスフォードらしくないデザインの一方、階段を上がってHallに向かう動線、Quad中心の構成、白い柱に囲まれたCloisterなど、カレッジ建築の伝統をしっかり継承している点も面白いです。建築好きにはたまりません。
【食事・Formal Dinner】
食事は美味しいです。シェフのMichael Godfreyは、英王室も学ぶイートン校の元エグゼクティブシェフであり、他生徒と話の種にもなります。Dining Hallでは月~金で昼・夕食、土曜にブランチを提供しています。昼・夜は一人5ポンド程度、Brunchは何を食べるかによりますが我が家は大人2人+子供1人で計6~7ポンドぐらいです。
毎週木曜にはワインつき4コースのGuest Night、隔週金曜にはワインなし3コースのFormal Dinnerが開催され、各タームに1回開かれるFamily Formalには子どもも参加できます。Guest Nightは補助ありで約30ポンド(各ターム2人)、補助なしで約50ポンドと、他のカレッジと比べるといささか高く、誘うのに気が引けてしまいますが、意外と来たいと言ってもらえます。Formal Dinnerは17ポンドです。
フォーマル以外では、水曜夜の無料ケーキや、不定期のCream Teaやランチ会など、食事を通じた交流も多いです。Common Roomにはホットチョコレートがあり(Wolfsonだけ!?)、近隣のSt Antony’sやSt Hugh’sの学生を見かけることもありますが、本当はCommon Roomのメンバー以外禁止です(👺)。
【コミュニティ】
院生専用で、2024–25年度には、Taught graduate 245名、Research graduate 530名の院生が在籍していました。学問分野は意図的に幅広く設定されており、医学、古典、コンピューターサイエンス、歴史、理論物理など、会う人会う人皆違う勉強をしているなぁと感じます。2025–26年度のMBA生は3名です。全体としてはPostdoctoralやD/MPhilの学生が多く、落ち着いた大学院生コミュニティという雰囲気で、SBS以外のカレッジ友達がたくさんできます。
バーの価格は安く、カレッジ生ならビール1パイントで1〜2ポンド程度、ジンのショットで80ペンス程度です。音楽ライブ、クイズ大会、スポーツ観戦、Bopsなど日常的にイベントも多く、カレッジの友人とサクッと飲みに行けるのがいいです。
また、ファミリーブロックに住んでいれば、日常的に子ども同士も仲良くなり、窓を開けていると、近所の子どもが喋りに来てくれるような古き良きご近所づきあいが残っています。大人が近所の子どもと遊んでいる姿もよく見ます。観光地的な華やかさはありませんが、常に人と会いやすく、家族・パートナーも巻き込みやすい心地よいカレッジです。カレッジライフを味わうならウルフソンがいいでしょう!
【その他】
古いカレッジではなく、著名な卒業生も、その筋では有名らしい学者が多いのですが、コロナ対応で有名になった英政府首席医務官のSir Chris Whittyや、LinkedIn創業者のReid Hoffmanなど、ニュース等で名前を聞く人が実は卒業生とわかったときは激アツな気持ちになれます。
現プレジデントのSir Tim Hitchensは元駐日大使で、日本人に大変良くしてくださり、フォーマルで一度は横に座らせてもらえると思います。お昼もホールで普通に召し上がっています。ウルフソン財団・ウルフソン家とは今でも強いつながりがあり、ウルフソン家の人が来ているときはその旗が上がります。ウルフソン男爵がフォーマルに来たこともあり、おお~本物の貴族だ~となります。


Kellogg
【概要・歴史】
※はじめに、この文章は、主に、Kellogg Collegeへようこそ、というご連絡を意図して/意図せず受け取った方向けに記載しています。
1990年にルーリー・ハウスとして設立されたケロッグ・カレッジは、オックスフォード大学で36番目に設立されたカレッジであり、フルタイムとパートタイムの学生数を合わせた学生数で最大規模を誇ります。寄付者であるケロッグ財団にちなんで名付けられたこのカレッジには、人口高齢化研究所やクリエイティブ・ライティング・センターなどの研究センターが併設されています。オックスフォード大学における生涯学習と密接な関係を築いています (According to Wikipedia) 。
皆さんの朝食にも並んだことがあるであろうシリアルメーカーのKelloggの財団が寄付をして作られたカレッジです。「Oxford’s most international college」と自ら銘打っており、ダイニングにハイテーブルが無いなど、大変モダンなカレッジです。
【立地】
SBSからは徒歩20分くらい、City Centreからは徒歩10分くらいです。この周囲にランドマーク等は特にありません。なにか別用のついでにカレッジ、ということがあまりないので、自転車があったほうがアクセスには便利だと思います。
【寮・設備】
オンサイト、オフサイト両方に抽選で応募可能です。オフサイトはJerichoの中にあり立地はよさそうです。価格帯や部屋タイプ(ensuite, studio)等は様々なレンジで提供がありますが、全体として供給量が圧倒的に足りてないので、ほとんどの生徒は抽選に落ち、privateのaccommodation(普通の賃貸やStudent Castle)を自分で探すか、大学の寮(Castle Millなど)に住んでいる印象です。抽選のタイミングが結構遅め(入学前の夏ごろ)で、抽選結果を待っていると大学の寮等は埋まってきてしまうので、同時並行で家探しをお勧めします。
【食事・Formal dinner】
食事はKelloggの(数少ない笑?)アピールポイントです。
通常食堂は月~金、昼と夜の2回食事が提供されます。ケロッグ生は£6で、量も味も満足してます。昼はパンとバターが、昼・夜は紅茶とコーヒーが無料で提供されるのもいいところです。
フォーマルは水曜に週に一回開催されます。全カレッジの中で唯一、フォーマルでアルコール/ノンアルコール飲料飲み放題なことが特徴だと思います。アルコール飲料はシャンパン、ワイン(赤・白)、ビール等、ノンアルコールもノンアルコールワイン、ジュース、エルダーフラワーウォーター等、チョイスが沢山あります。その分お値段も若干高い(ケロッグ生£28、ゲスト£35)のですが、コースの料理も総じて美味しく、内容としては満足です。
また、College内にカフェが併設されており、ほぼ毎日営業しています。サンドウィッチ等の軽食も提供しており、ケロッグ生は若干割引がききました。
【コミュニティ】
MBA生が多く所属(80人くらい)しているので、友達を探すには困りません。今年は、毎週水曜にWelfare Cakes and Teaのサーブがあり、MBA生以外との交流の機会にもなりました。他にも学術系のイベント等、多くイベントが開催されています。MCRでもイベントが週に何回か企画されているようです。
他方、修士の学生(含むMBA)が多く、その多くがカレッジ外に住んでいることもあり、コミュニティとしての強さはあまりないように思います。個人的には、たまにごはんを気楽に食べにいく場所、という認識でカレッジとは関わっています。
【その他】
ケロッグは敷地が狭いので、残念ながら、チャーチ、ジム、音楽室、テニスコート等の他カレッジにある設備はありません。しかし、たまにアルパカがカレッジに来ます。
研究に関わる出張やLanguage Centreでの語学コース履修の一部補助などは手厚くあるようなので、ご関心があれば利用を検討してみてもよいかもしれません。
(M.I/2025-2026)

Wadham
【概要・歴史】
1610年創立の歴史あるカレッジです。学部生約480人、大学院生約240人からなります。2025年度は5名のMBA生が本カレッジに所属しています。
建築家クリストファー・レンや物理学者ロバート・ボイルなど「王立協会」の基盤を作った科学者を輩出しています。
王族や貴族ではない女性(ドロシー・ワダム)が、オックスフォード・ケンブリッジ両大学で初めて単独で創設したという歴史を持ちます。伝統的なカレッジの中でも大規模で、ジェイコビアン様式の最高傑作とされる建物に囲まれた中庭(クォッド)が象徴的です。
敷地内には、1748年に建てられたヨーロッパ最古の音楽専用コンサートホール「Holywell Music Room」があり、現在でも毎週末にミニ・コンサートが開催されています。
【立地】
オックスフォードの中心部に位置し、買い物や食事へのアクセスはもちろん、Saïd Business Schoolへも徒歩15分程度と好立地です。
伝統的に「リベラルで開かれた学風」として有名で、1974年に他のカレッジに先駆けて男女共学化へと舵を切った先駆的な歴史を持ちます。現代でも多様性と平等を非常に重んじる、オープンな雰囲気が最大の魅力です。
【寮・設備】
カレッジの設備も充実しており、歴史ある伝統的なDining Hallでの毎日の食事提供に加え、図書館やジム、学部生・修士生ごとにStudy Centreと呼ばれる自習スペースを備えた建物があります。
また、On-CampusとOff-Campus合わせて合計4種類の学生寮が用意されており(①Merifield ②Dorothy Wadham Building ③Lathbury Road ④main site)全てのカレッジ所属生に対して学生寮の提供を保証しています。家賃はどの学生寮を選択しても、光熱費込みで一律£8,560(2025-2026年度)です。
【食事・Formal dinner】
Wadham Collegeは計3つの食堂を保有しており、平日のランチはRefectoryと呼ばれるモダンな食堂またはOld Libraryで、ディナーはDining Hallで提供されます。また土日には11:00-13:00の間にRefectoryにてブランチの提供があります。加えて2週間に一度、日曜のevensongの後にDining Hallにて無料のディナーが振る舞われ(予約制)、学生にとってはとてもありがたいサービスになっています。
本カレッジにはいわゆる“フォーマルディナー”は存在せず、代わりに“Student Gesut Night”があります。Wadhamのこだわりで呼称こそ異なるものの、実態としては通常のフォーマルディナーで、ドレスアップして皆でコース料理を楽しみます。£21.85とややお高めですが味は美味しく、毎回満席になるほど人気があります。ただし、開催頻度が1ヶ月に1-2回とかなり少ないために毎回チケットは争奪戦で、販売開始から10分程度で完売することも珍しくありません。
【コミュニティ】
WadhamのコミュニティはMBA生の人数こそ少ないものの、非常にフレンドリーで活気があります。学生主体で多様性を祝う伝統的な「クィア・ウィーク(Queer Week)」などのユニークな大規模イベントをはじめ、各種パーティー、スポーツ、アート活動が平日・週末を問わず盛んに行われており、バックグラウンドを問わず誰でもすぐに溶け込んで友達を作りやすい環境です。
【その他】
金額としては大きくないですが、Wadhamには学業や旅行等の奨学金制度が充実しており、要件を満たせば応募することができます。
(N.F /2025-2026 )

St. Cross
【概要・歴史】
1965年設立のGraduate college。従来のオックスフォードの階層的なカレッジ文化とは異なり、「より平等で国際的な大学院コミュニティ」を目指しています。学生とフェローが同じコモンルームやダイニングを共有し、High Table のような強い上下関係をできるだけ排除した点が特徴です。学問分野横断的で、オープンな議論を重視する文化が形成されています。著名な卒業生として、ルーマニアの元首相のMihai Răzvan Ungureanuやマレーシアの元国王Sultan Muhammad Vなどを輩出しています。
【立地】
オックスフォード中心部の St Giles’(セント・ジャイルズ)通り にあり、Ashmolean Museumのすぐ近くに位置しています。中心地まで5分、Saïd Business School(以下SBS)まで徒歩15分弱という好立地です。
【寮・設備】
Graduateカレッジとしては珍しく、建物の見た目は伝統的なOldカレッジのような佇まいをしており、いわゆるOxfordらしい雰囲気を味わえます。他のカレッジと比べてこじんまりとはしていますが、モダンなDining Hall(食堂)、Common Room、図書館、バー/カフェ、クワッド(中庭)などがあります。Common Room は St Cross の象徴的な空間で、大きなオーク材の部屋にソファやテレビ、ピアノなどがあり、とても居心地が良く、他のカレッジ生にも人気の場所です。
図書館は、メインサイト内にあるモダンな図書館に加えて、隣接するクラシカルなオックスフォードらしい Pusey House のライブラリーを利用することもできます。
ジムはカレッジ専用のものは所有していないですが、Iffley Road Sports Centreを無料で利用できます。
寮はOn-site, off-site含め複数の施設がありますが、数が少ない上競争率が高く、入居はかなり難しいと考えた方がいいかと思います。また、カレッジ寮としては比較的賃料が高めです。例えば、off-site accommodationであるSt. Cross Annexeのensuiteの場合、月約1000ポンド強です。
【食事・Formal dinner】
食事のクオリティが高いことで評判です。SBSからも近いことから、MBAの
同期とランチをするのに重宝しています。朝食、昼食は平日毎日あり、土曜日はブランチが提供されています。St. Cross生はランチを5ポンドで食べられるため、比較的リーズナブルです。夕食の提供は普段はないですが、formal dinnerは不定期であり、季節やイベントに合わせたテーマ性のあるディナーや、ドレスアップをしっかりするBlack Tieのディナーまで幅広く提供しています。ダイニングホールはモダンな様式です。
【コミュニティ】
現在、70カ国以上から学生が集まる国際色豊かな大学院カレッジとなっており、約600人規模のコミュニティが形成されています。比較的小規模でフレンドリーな雰囲気と、分野横断的な交流文化が特徴です。ソーシャルイベントやキャリアイベントも定期的に開催されており、カレッジ内で交流を深めることも可能です。また、カレッジに所属している教授がアカデミックアドバイザーとしてアサインされ、各タームごとに教授と近況報告をする食事の場があるなど、教授との交流の場もあります。
MBA生は現在約20名在籍しています。
【その他】
推しポイントはなんと言っても立地の良さだと思います。中心地からもSBSからも近いのは何かと重宝します。また、welfare がかなり活発で Welfare Tea & Cake、Wellbeing events、pet therapy、無料フード系イベントなどが多く行われています。
課外活動や学術活動向けの funding supportがあり、在学中の学生は年間最大 £300 まで申請することができ、international electiveなどに使用することができます。
(M.I /2025-2026 )