カレッジ制度

 

MBAに合格すると、他の学部の学生と同じように、必ずカレッジを選択することになります。オックスフォード大学は全体として、マトリックス組織になっています。すなわち、学部・スクール(専門領域・仕事場)を縦とすると、カレッジが横です。ビジネススクールでの専門的な仕事を終えて、カレッジ(家)に帰ると、そこには他の専門領域の先生や友人が集まっており、会話や食事を通してジェネラリストとしての素養も育むシステムになっています。カレッジは寮や食事の提供を主な役割とし、また社交の場所であるMCR(ミドルコモンルーム)を通じ、多くの学生との交流を深めることもできます。現在、オックスフォード大学には38のカレッジ(と6つのパーマネント・プライベート・ホール;カレッジと同じ役割です)があり、それぞれ独自の文化、歴史、伝統を保っています。カレッジライフはMBA学生及び家族(お子様のいらっしゃる場合には特に)の大切な一部を構成しますので、詳細は是非在校生にお問い合わせください。ここではその一部をご紹介します。一般的なカレッジの説明については公式サイトをご覧ください。

Green Templeton

2008年に、Green CollegeとTempleton Collegeの合併によって創られたオックスフォード大学で一番新しい大学院学生向けカレッジです。もともとGreen CollegeはWelfare、Templeton Collegeはマネジメントに注力したカレッジであり、GTCは薬学、教育、MBAを履修している大学院生が大半を占めています。カレッジ自体はSBSから少々遠いのですが、SBSのすぐ裏手にRACという名称のアコモデーションを有しており多くのMBA生がそこに暮らしています。

GTCの食事は定評があり、ランチ、ディナー共にとてもおいしいです。またアットホームなカレッジであり、パーティ、ワインテイスティング、レクチャー・ディスカッションなど毎晩のようにイベントが開催されています。レクチャー・ディスカッションイベントについてはHuman Welfare、HealthcareやEducationに関する議題が多いように感じます。他の多くのカレッジと異なり、大学院生に特化したカレッジであることからMatureな議論を楽しめるという意見も聞かれます。

難点としては、RAC以外の寮は少々SBSから遠いという点、RACもGTC本体から少々遠いという点でしょうか。なお空室ができれば期中の移動もできるようです。できるかぎりSBSの近くに住みたいという方にとっては、RACは最高の環境であるように感じます。(H.S./2011-2012)

 

Green Templeton College
 
Lady Margaret Hall
Lady Margaret Hall

1878年に創られた、オックスフォード大学で初めての女子学生向けカレッジです。現在は共学となっていますが、かつての名残が随所に感じられます。

まず、レンガ造りの建物が非常にかわいらしいです。広い庭もよく手入れされ、美しいです。Beautifulというより、Prettyという形容の方がしっくりくる環境です。教会も、街中のカレッジのように荘厳で大きいものではありませんが、本当に信仰のことを考えて造られたことが感じられる、温かみのあるものとなっています。

オックスフォード大学の特徴としてチュートリアル制度がありますが、LMHのチュートリアルは特にアットホームで有名とのことです。私もプリンシパルや院生向けチューター代表、カレッジアドバイザーと何度も面接を行っておりますが、単に勉学上のことのみならず、家族のことや将来のことまで相談に乗ってくれ、また有益なアドバイスをくれました。活用したことはありませんが、単に「気分が落ち込む」といったレベルの相談も、快く受けてくれるとのことです。

MCRもみんな仲がよく、頻繁にイベントが開催されています。毎晩誰かしらが何かしらのイベントをとり行っている印象です。印象としては理系の院生が多いと感じています。MBA以外の話を聞くいいチャンスだと思います。クラブ活動も盛んです。

ダイニングホールもかわいらしく、また荘厳で素敵です。料理はそこそこだと思います。デザートはとても美味しいです。

少しSBSから遠いのが難点ですが、独身向けの寮も申し分なく、十分な数が用意されています。特に1年目の学生(MBA含む)には必ず部屋(独身部屋)を提供することを約束しており、インターナショナルの学生にはありがたいと思います。ただ、難点として、家族向けサービスがまったくないということが挙げられます。家族寮は一つもないため、家族持ちの学生はカレッジ外で部屋を探さなくてはなりません。カレッジのイベントやMCRのイベントも週末や夜に開催されることが多く、家族がいるとなかなか参加しづらいことが多いです。その点で、独身者やカップル向けのカレッジであると思います。(A.Y.)

 
 
Linacre College
Linacre

Linacre College はOxford中心部からやや北東に離れた場所に位置している、大学院生専用のカレッジです。街の中心部までは徒歩15分、SBSまでは20分程度です。カレッジのすぐ隣には広大な公園(University Park)があります。SBSから遠めの立地なので、MBAの学生は少ないです。私の年には約7名ほどでした。遠いので、私の知っているLinacre所属のMBA生の多くはカレッジにあまり出入りしていない模様でした。

1962年に設立された比較的新しいカレッジなので、古い建物が好きな人には物足りないかもしれません。カレッジ内には食堂があり、学期中は昼食と夕食を提供しています。フォーマルディナーも各学期ごとに何回か行われています。

カレッジの地下には小さなジムがあります。小さいながらも、一応ウエイトとランニングマシンなど基本は揃っています。シャワーはありません。ジムの管理人(彼もLinacre学生)はこのジムを非常に誇りに思っていて、「Oxfordのカレッジの中でも一番よい」と信じていますので、そこはプライドを傷つけないよう対応をしてあげてください。おそらく多くの人には必要ない情報ですが、ジムの隣には小さな「音楽室」があり、デジタルピアノが置いてあります。隣からビートの効いたジム音楽がばっちり聞こえてきますので、心を無にする必要があります。

一つ特筆すべきことは、一学期の前半に行われるSexy Sub-Fusc Ballです。名前の通り「ガウンをセクシーに着るべし」というテーマ付きのパーティーです。これはそれなりに人気のあるイベントで並びます。が、 Linacre College関係者は行列なしで入れるので、その点は便利です。(R.U./2013-2014)

Pembroke

1624年創立の歴史あるカレッジです。学部生400人、大学院生170人からなります。
イギリスの作家J.R.Rトールキン、スミソニアン博物館のジェームズ・スミソニアン、MBA生にはお馴染みフルブライトプログラムの設立者ウィリアム・フルブライトなどを輩出しており、キャンパスの規模は比較的小さいものの、コッツウォルズの白い石灰石で造られた歴史ある食堂やチャペル、綺麗に管理の行き届いた中庭はオックスフォードならではといった雰囲気があります。

オックスフォード市内の中心部に位置しており買い物やレストランには非常に便利であり、学校からも徒歩10分程度。オックスフォードのカレッジでは珍しく大学院生でもキャンパス内の寮に入ることが可能です。MBA生は毎年10人程度受け入れており、2nd Round頃までに出願すれば間違いなく2012年に新設されたばかりの寮に入ることができます(キッチンは共有で、部屋はトイレ・シャワー完備のEn-suiteタイプ。カップルや夫婦で入居するキッチン付きの部屋もあり)。

食堂で朝・昼・晩が提供され、料金は6ポンド程度(夜はゲスト3名まで招待可能)。食堂とは別に寮の敷地内にオープンカフェがあり、朝食や軽い食事をすることもできます。また、道を挟んで向かいにChrist Churchがあり、土曜日の夕食はハリーポッターでお馴染みの同カレッジの食堂で食べることが可能です。

Pembrokeのコミュニティーは仲がよいことで有名で、夕食後にポートワインと焼き菓子が無料で提供されたり(Second Dessert)、映画鑑賞、パーティー(Banquet、カジノ、ダンスパーティ等)、旅行(コッツウォルズ散策、Pembrokeshireの国立公園でのキャンプ等)、パーティーの翌日は無料のブランチが提供されるなど平日も含めイベントが非常に盛んで友達もつくりやすい環境です。(M.T./2013-2014)

Pembroke College
 
The Queen's

ビジネス・スクールでの生活に加えて、クイーンズ・カレッジでの生活は、オックスフォードの学生生活を2倍、いや3倍楽しくしてくれるものです。クイーンズ・カレッジの魅力はいろいろとありますが、大別すると以下です。


(a) 古い:どうせオックスフォードで学生をするなら、伝統ある古いカレッジに所属したいと思う人も多いかもしれません。クイーンズ・カレッジは1341年設立の古いカレッジで、哲学者のJeremy Benthamや天文学者のEdwin Hubbleなど、錚々たる卒業生を輩出しています。その伝統ある建物からオックスフォードの歴史を十分に堪能できます。

 

(b) 図書館:「世界の美しい図書館25選」に選ばれるほど、クイーンズの図書館は威厳と品格に満ちています。この図書館で勉強していると、なんだか「勉強した気」になります。図書館にはビジネスとはまったく関係のない、「値段のつかない」本が置いてあります。いい(崇高な?)気分にさせてくれる場所には違いありません。

 

(c) 庭園:クイーンズの庭は、数あるカレッジの中で、特に美しいといわれています。芝生の手入れが行き届いていて、いつ見ても心が洗われます。日々の生活の心の癒しです。

 

(d) ご飯がおいしい:格式ある食堂も魅力なのですが、ご飯がとにかく安くておいしいです。

 

(e) 寮:クイーンズの大学院生は、大学院生用学生寮に住むことが確約されています(他のカレッジでは、キャパシティの問題から自分で住む場所を探さなければいけない場合もあります)。ビジネススクールまで徒歩10分、クイーンズのメインサイトまで徒歩10分、サッカーグラウンドまで徒歩10分、街の中心まで徒歩5分と、勉強にも、日々のカレッジでの食事にも、スポーツにも、飲み会にも便利です。設備は立派とは言えませんが、シャワーとトイレが各個人の部屋についていてインターネット完備なので、文句はありません。ただし、家族向けの寮は充実していません(ないかもしれません)。(T.M.)

The Queen's College
 
St Hugh's

Oxford北部に位置し、SBSからは少々遠いSt Hugh’sですが(徒歩20分程度)広大な敷地内には素敵な庭と草花があり、中心街の喧噪を忘れさせてくれる素敵なカレッジです。
 
毎年MBA生が多く所属しているのが特徴で(2013年は約45名)、カレッジのイベントに参加すると必ず誰か知り合いに会うことになります。週末にはカレッジ内でブランチを無料で提供しており、他の大学院生と交流することもできます。またフォーマルホールの質も高く、£10で3コースのディナーを楽しむことができます。

敷地が遠くまたカレッジの寮はほぼ学部生に限られているため、MBA生は通常他の大学寮(Castle MillやVennit Close)、もしくはプライベートのアパートに滞在することになります。(R.K./2013-2014)

St Hugh's College
 
St Peter's

St Peter's Collegeは設立が1929年と比較的新しいカレッジで、伝統あるカレッジと比べてしまうと、建物の格調高さや卒業生の豪華さにおいてはどうしても見劣りしてしまう部分があることは否めません。しかし、St Peter'sの魅力は何と言ってもその立地でしょう。コンパクトではあるものの、オックスフォードの街のど真ん中に位置し、最も便利な場所にあるカレッジの一つと言えます。MBA生の受け入れは通常は2〜4人ということになっているようですが、2013-2014のように7人という例もあります。

大学院生用の寮はメインサイトとは別の場所になりますが、やはり街の中心にかなり近いところにあり、ビジネススクールまで徒歩5分、カレッジ自体(つまり街の中心)までも徒歩5分と、利便性という点では理想的なロケーションです。また、2008年築と比較的新しい建物です。希望者は必ず寮に入ることができますが、シングル用の部屋のみで、家族向けの寮はありません。

St Peter'sの欠点は、コンパクトゆえ設備の充実度が他のカレッジより劣る点でしょうか。図書館は24時間オープンしていますが、狭いため試験前の時期は学部生でいっぱいになってしまい、あまり使い勝手がよいとは言えません。とは言え、MBA生がカレッジを活用するとしたら、主に寮と食事でしょうから、そういう意味ではあまり不満を感じることはないと思います。(A.M./2013-2014)

St Peter's College
 
Wolfson

Wolfson Collegeは、1966年に設立されたオックスフォードでは比較的新しいカレッジで、市の中心部の北部に、1つの町のように存在しています。ビジネススクールからは大分離れているため、通学はバスまたは自転車が基本となります(所要時間30分程度)。ただし、カレッジが、シティセンターまでミニバスを運行しており、無料で利用可能です。大学院生向けに開かれたカレッジであり、歴史、文学、人類学から化学、医学まで幅広い分野の学生が集まっています。

 

Wolfsonは、家族連れ向けの住居施設が充実したカレッジの一つです。特に、子供連れの方の場合(利用状況にもよりますが)、比較的スペースの広いフラットを割り当ててもらえる可能性があります。また、広い敷地を活用し、住居がすべてカレッジの周囲に設けられているのも、カレッジで学び、生活するうえでの利点の一つだと思います。

 

周囲はほとんどが客員研究員や、教授、博士課程の学生といったその道のプロフェッショナルで、コモンルームやダイニングホールで日々刺激的な会話が行われています。人格的にも家庭的にも穏やかで落ち着いた方々が多く、日々のやり取りや時折開かれる各種のパーティーを通じてご近所づきあいを満喫しています。

 

Wolfsonは、住居以外の施設・生活のサポートでも充実しています。深夜まで開放された図書館(個室あり)、オックスフォードには珍しく家族も参加が許されるダイニングホールでの食事、サッカー場、テニスコート、バスケットボールコートなどのスポーツ施設、ダイニングホールで開催される演奏会など、学生生活をサポートする存在には事欠きません。カレッジ内にパンティングが可能な池もあり、夏季には涼やかな雰囲気を満喫できます。市の中心部からは若干離れていますが、買い物や外食などが可能なSummer Townが徒歩10分ほどのところにあり、カレッジを中心に生活を完結させることも十分可能な体制です。

 

中でも、0歳〜4歳児を帯同して学んでいる学生にとって、Wolfsonが自前で保有する保育園のメリットは計り知れません。申し込み数は多いものの、Wolfsonの学生は抽選時の優先順位比較的を高く設定してもらえるため、入園の可能性が高くなっています。 多くのオックスフォードのカレッジに比べて、建物は近代的であり、著名な卒業生の数などで歴史の浅さを感じることがありますが、家族連れの方にとっては、おすすめできるカレッジです。

Wolfson College
 
Wolfson College
 
Kellogg

Kellogg Collegeは、1990年に、それまでオックスフォード大学に多大な寄付を行ってきた、コーンフレークで有名な米国のKellogg財団にちなんで名づけられた新しいカレッジです。カレッジの設立は新しいですが、建物自体は1800年代のイギリスらしいビクトリア調で趣があり、かつ、中心部の喧騒から離れたJerichoエリアにあり、ビジネススクールに徒歩20分と、利便性もまずまずです。

どうしても他のカレッジに比べ歴史面で見劣りしますが、それでもKelloggには他のカレッジに負けない要素があります。1点目は、大学院生専門のカレッジであり、Dining hallや各種イベントで知り合う学生は皆Matureであること。2点目は、1990年に設立されて以降、カレッジの施設は随時新設されており、内装は非常に綺麗であること。3点目は、これを一番のウリに掲げる在校生も多いのですが、料理がおいしいこと(個人的にも各カレッジの中で一番美味しいと思う)。フォーマルディナーは特にカレッジ側も気合が入っており、やや高価ですが、オックスフォードではなかなか味わえない本格料理が楽しめます(フォーマル以外の一般ディナーは他カレッジ同様、£10未満で質の高い料理が提供されます)。

また見逃せないのは、MBA生が多いこと。2017年度入学では、25名ほどの学生が入学しています。MBAの中で知り合いを作るにはちょうど良い人数であり、かつ全般的にカレッジへのコミットが高い(食事が美味なのと、各種イベントが多いが故)ことから、よい仲間づくりができる土壌があります。加えて、(筆者はPrivate accommodationに住んでいますが)MBA生は必ずカレッジ隣接のアコモデーションが提供されます。

Kellogg Collegeは所属人数900人を超える大規模なカレッジですが、その大多数がPart time学生となっており、フルタイム学生は一学年250人程度です。上述の通り、カレッジ関連のイベントも多いため、他学部の学生と知り合えるチャンスも多いといえます。

(S.M./2017-2018)